小森康充 – どの状況でも成果が出せる「真の営業」に必要なこと

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研修を確実な成果につなげるには?

『プロセス』『話法』のスキルとマインドセットの両輪があれば、入社1年目の新人であったとしても必ず結果が出せる。その確信に至った小森氏は、ヘッドハンティングを経て日本ロレアルの営業部長、COACHジャパンのアウトレットモールの責任者を歴任した後、2009年に営業コンサルタントとして独立。根っこにあるのは「人は変われる」という思いだ。P&Gジャパンでのトレーナー経験や、COACHジャパン時代に神戸学院大学客員教授として学生に向けて講義を行なった時に感じた手応えから、後進の育成を志すようになったという。

「”根性営業ばかりだった自分でもスキルとマインドセットを身につけることで変われた”、この経験を多くの人に伝えたい。若い人ほど人生の先は長い。研修を受けることで変われたら、その先の仕事生活も充実するでしょう」

結果の出る効果的な研修には3つのポイントがあると小森氏は考えている。
①実践的であること、②トップのコミットメント、③評価制度だ。

「まず一つ目は、研修で学ぶスキルが実践的であることが大切です。”営業をどう進めればいいのか”を講師が実際に見せ、参加者にその場で実践してもらう。講師からのフィードバックを受けながらでも、実際にできるようになれば参加者のモチベーションは必ずアップします。ただし、相手によってできたり、できなかったりと結果が変わってくるようではまだスキルとして心もとないです。どのような相手にも確実に結果が出るくらいまでに高めていくことが必要です。このような『習慣化』のためには、二度三度の連続研修を行うことが重要です。

2つ目は、長期的な売り上げとスキルの習慣化を目指し、来期の戦略の1つとしてトレーニングを組み込むことです。そのような強い決意が社長や営業本部長に必要になります。
私自身がトレーニングをきっかけに変われたのは、P&Gが日本法人の長期的な売り上げアップのために、世界ナンバー1のトレーナーをわざわざ日本に何度も来日させるという、トップのコミットメントが非常に強力なものだったからです。

そして、研修でのトレーニングと評価制度を連動させることで効果はさらに確実なものになります。研修で学んだプロセスや話法で成果を出した社員を、ボーナス査定や社長表彰などで評価すると良いでしょう。また、そのようにメンバーを成長させた管理職も同様に評価します。これがポイントの3つ目です」

研修を受けることが目的ではなく、確実に売上げをアップすることが小森氏の研修の目的。「人は変われる、自分にもできる」。そう信じさせてくれるだけの説得力あるロジック、実践的で再現性の高いテクニック、そしてウィットに富んだ経験談からは、先を見通すのが難しいスピード社会へ立ち向かう勇気とパワーも分けてもらえそうだ。

オンライン営業でも確実に成果を出す

世界的な新型コロナウイルス感染症の流行によって直接商談をする機会が激減する一方、ビデオ会議ツールや電話を使った営業手法が注目を浴びている。これらのツールを使用し、これまでと同じ成果を出せるか不安を感じている企業や人は少なくないだろう。

「ピンチはチャンス、と捉えてほしい。困っているのは競合他社も同じ。そんな時こそ、他社がやっていないことを先駆けて実行するべきです。『対面』と『オンライン・電話』での営業は全く違うと思われるかもしれませんが、場所を共有していないだけで『時間』を共有しているという意味では実はどちらも変わりません」

『話法』のスキルを使い、相手の心の窓の開き具合に応じて商談を進めていくプロセスはオンライン・電話でも変わらない。なりたい姿を自分の中に思い浮かべ、自信を持って画面越しに相手との対話を進めていけばいい。一方、対面とは少し事情が変わってくる部分も発生する。

「大きく違う点を挙げるとすれば、対面では視覚や触覚による印象づけが容易ですが、オンライン・電話の場合はその2つが弱くなることです。画面上で資料を共有することはできますがこちらの姿は上半身しか見えず、触覚に関しては一切不可能です。そこで、一番強い影響力を持つことになるのが『声』です」

相手を説得するためのロジックとして『Speak to Head & Heart』という概念がある。数字や事実といった理論で左脳に語りかけることと、共感や心地よさなどの印象で右脳に訴えかけることの両方をバランス良く織り交ぜる。そうすると相手がリラックスして話を聞くことができ、成約率が向上しやすいという。オンライン・電話を通じて相手の右脳部分にアプローチするには『声』の力を最大限に活用する必要がある。

「”この人とまた話したい” “信頼できる”と声で相手に印象付けるには、一言一言に『感情』を込めて発声することがポイントです。そのためのテクニックはいろいろあり、体得できればクロージング成功率は確実に高くなります」

コロナ禍により「会わなければ話はまとまらない」という常識は覆された。交通費、時間、労力等の面でコスト削減が叶うオンライン・電話での商談はアフターコロナの世界でも根付いていくだろう、というのが小森氏の読みだ。どのような状況でも確実に成果を出せるのが真の営業スキル。それを身につけられれば怖いものはないだろう。

小森 康充小森 康充
(こもり やすみつ)

1962年生まれ。P&Gジャパン、日本ロレアル、COACHジャパンなど実力主義の外資系企業で20年間の営業キャリア、人材育成キャリアを積む。その後、神戸学院大学客員教授を経て2009年、営業力強化コンサルタントとして独立。P&G時代においては常にトップクラスの営業成績を上げ続け、当時P&Gトレーナーの世界トップであったボブ・ヘイドンよりコミュニケーションスキルとマネジメントスキルを直接学び、トレーナーとしても社内や得意先の人材育成に貢献。アジアパシフィック最優秀マネージャー等、数々の表彰を受ける。また、世界No1サクセスコーチといわれるアンソニー・ロビンズのコーチングスキルを習得し、20年間の実績が証明する卓越したスキルとミックスした独自のスキルを確立。わかりやすく実践的な指導には定評がある。著書に『スベらない商談力』(かんき出版)、『仕事ができる人はなぜ決断力があるのか』(生産性出版)などがある。
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