江藤真規 – 新しい時代に必要なマインドアップと家庭のあり方

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大きな変化にさらされている子どもたちへ、親ができること

ノビテクマガジン編集部ノビテクマガジン編集部
親だけでなく、休校やオンライン授業、分散登校など子どもたちの生活も急激に変化しています。子どもへの接し方で気をつけるべきことはありますか。
子どもも、すごくストレスを抱えていますよね。口には出さなくても、大きなストレスを抱えています。言動が荒々しくなったり、保育園や学校で問題行動を起こしたりする事例も聞きますね。親としては、やはり「対話」が重要なのだと思います。

家庭は、ソーシャルディスタンスを気にしなくていい唯一の場所。対面で、しっかり子どもの表情を見ながら、時にはハグをしながら、話をよく聞いてあげてほしいです。子どもに対して親がやってあげられることって実は少ない。どんなに小さくても子どもは子どもなりの考えを持っています。「コロナの時代をどう生きていくか」を一緒に考えてみてもいいと思います。

先日、保育の国際シンポジウムに参加したときに、興味深い海外の事例を聞きました。ある保育園で子どもが描く絵が変わってきたそうなのです。

たとえば、青い色のお花をいっぱい描く子がいたり、とってもカラフルなマスクの絵を描く子がいたり。青は、医療従事者を象徴する色。おそらく子どもなりに、「いまお医者さんや看護師さんが頑張っている!応援したい!」という気持ちを持っているのでしょう。

日本でも、マスクやフェイスガードをつくって寄付する学生のニュースを見聞きしますが、そのようなお子さんがいる家庭では、「いま社会でなにが必要とされているか」といった対話が十分になされているのではないかと思います。子どもを、守ってあげるだけの対象として見るのではなく、「社会を共に生きる一員」だと捉える意識が大切なのではないでしょうか。

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ノビテクマガジン編集部ノビテクマガジン編集部
先ほど、「家庭の‟外”」と繋がる大切さについて話してくださいましたが、それは親だけの話ではなく、子どもと一緒に「家庭の外を見る、社会に関心を寄せていく」ことが大切なのですね。
本当にそのとおりで、それが子どものストレスを緩和したり、心を守ったり、学ぶ意欲を引き出すことにも繋がるはずです。

今、オンラインでできることが、どんどん広がっています。日本のみならず、世界の情勢も、簡単に知ることができる。親の意識次第で、子どもの世界をぐんぐん広げられます。親も子も、全員が社会の参加者であり、担い手であり、作り手なのだという意識が大切です。

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家庭の事情に耳を傾けることが、社員支援の第一歩

ノビテクマガジン編集部ノビテクマガジン編集部
「withコロナ」「afterコロナ」の時代に、子育て中の従業員を抱える企業側に留意してほしい点にはどのようなことがありますか。
いろいろな家庭があることを理解してほしいというのが一番でしょうか。「子どもが〇歳なら家で勉強できるだろう」「奥さんが専業主婦だったら通常勤務できるでしょう」という話ではなく、なかなか口にしづらいことも含めて、いろいろな家庭の事情があるわけですから、まずは「相手理解」から始めていただきたいのです。

いくらテレワークを導入したとしても、家庭ごとに子どもの年齢や気質も違えば、wifiの環境、オンライン授業の進み具合もすべて異なります。従来通りの勤務時間や会社のルールをそのまま家庭に持ちこむのは、やはり限界があります。家庭の環境や状況を理解したうえで、最適な働き方を模索していく。まさしくダイバーシティの実現が求められています。

もちろん、企業によってできること、できないことには差があるでしょう。しかし、働く側としては、少なくとも「会社が理解をしようとしてくれている」と感じられるかどうかが重要です。対応ひとつで、働く意欲はまったく違ったものになります。

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ノビテクマガジン編集部ノビテクマガジン編集部
部下をマネージメントする管理職も、求められる能力に変化がありそうです。強いリーダーシップで部下をけん引する管理職よりも、密にコミュニケーションをとり、状況にあわせて柔軟に対応を変えられる管理職のほうが求められているとも聞きます。
そう思いますね。テレワークって、一人で仕事をしているわけですが決して個人作業ではありません。

孤独になりがちな自宅での仕事で、「いかに組織のつながりを感じられるか」「仕事のライブ感を味わえるか」が肝になります。オンラインでちょっとした雑談をしたり、個々人の事情に配慮して仕事の配分を変えたり。とにかくみなさん、今、とても話したいし、繋がりたがっています。

これはコロナ禍ならではの変化です。だからこそ今、組織を強くしたり、より良い働き方を模索したりする、いい機会なのです。

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ノビテクマガジン編集部ノビテクマガジン編集部
ただ一方で、緊急事態宣言が解かれたあと、テレワークなどをやめ、従来どおりの働き方に戻る企業も出てきています。
このコロナを新たなチャンスに繋げていこうとする企業と、いつか事態が終息するだろうと捉えてなんとか今をしのごうとする企業で、対応は大きくわかれるのだと思います。

学習塾の支援を行う仕事柄、親御さん向けに行ったアンケートと同様に、学習塾に対してもアンケート調査を行いました。驚くべきことに、ある学習塾では、1年分の授業動画をすべて撮り終えていました。オンラインで完結できる授業は早々に録画しておき、これから先、もしも第二波・第三波がきたら余った時間を使って、保護者や子どもとの面談、つまり心のケアに時間を割いていくというのです。この企業は、完全に新しい時代にシフトしているなあと感じました。非常時の対応にこそ企業姿勢は色濃くあらわれます。

これは、業種や組織規模、資金力の問題ではなく、経営者が「何を目指しているか」「どこを見ているか」の違いでしょう。そして新しい時代を見据える組織には、必ず、その中心に若者がいます。権力や地位にあぐらをかいている時代は終わりました。若者の声を聞き、共に手をとって、新しい時代を築いていくときなのだと感じます。

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江藤 真規江藤 真規
株式会社サイタコーディネーション代表取締役/マザーカレッジ主宰/東京大学大学院教育学研究科博士課程修了 博士(教育学)
自身の子どもたちの中学受験を通じ、コミュニケーションの大切さを実感し、コーチングの認定資格を習得。現在、講演、執筆活動などを通して、教育の転換期における家庭での親子コミュニケーションの重要性、母親の視野拡大の必要性、学びの重要性を訴えている。 著書は『勉強ができる子の育て方』『合格力コーチング』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『勉強が好き!の育て方』(実務教育出版)、『ママのイライラ言葉言い換え辞典』(扶桑社)など多数。
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